4 養育費の減額請求を拒否する具体的な対応策
実際に相手方から養育費の減額を請求された場合には、戦略的に対応していくことが重要となります。
具体的には、以下のような対応策が有効と考えられます。
(1)基本的に「拒否」する

養育費の金額は、基本的には両親の話し合いで決めるものです。
一度取り決めて公正証書などを作成している場合であったとしても、両者が合意すれば変更できます。
ですから、支払い義務者は特段の事情がなくても合意を求めて養育費の減額を請求してくることがあります。
しかし、あくまでも合意がなければ変更できないのですから、納得できない場合は拒否しましょう。
相手方が情に訴えかけてきたり、逆に脅迫的に減額を迫ってきたとしても「子どものためには今の金額が必要」である旨を説明し、減額を拒否することです。
(2)話し合いで妥協する
もっとも相手の主張の筋が通っている場合は調停や、最終的には審判で減額が認められてしまう可能性がでてきます。
このような場合には、話し合いで妥協する方が得策となることがあります。
具体例として、審判となれば2万円減額されそうなところを、交渉によって1万円の減額で合意することが挙げられます。
妥協点としては、月額の減額幅の妥協点を探る以外にも、以下のような方法も検討してみると良いです。
- 支払方法(お金ではなく車や有価証券など他のもので支払ってもらうなど.)
- 支払期間(月額を減額する代わりに支払期間を延長してもらうなど)
- 支払いを怠った際は一括払いすることを約束する
(3)調停になった際は調停委員を味方につける
調停は、基本的に「話し合いの手続き」ですが、家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合いが進められることになります。
当然ながら、調停委員は中立・公平な立場の人ですが、話し合いをまとめるため双方に対してアドバイスや説得をすることもあります。
この調停委員を味方につければ、有利な内容での調停成立が期待できます。
そのために、調停委員に対して、あなたと子どもの生活状況を細かく申告した上で、今後の子どもの教育方針なども細かく具体的に説明し、「どうしても○万円は養育費を払ってもらわないと生活や教育ができない」ということを伝えるようにしましょう。
(4)相手の主張が正しくないことを立証する
調停において支払い義務者が減額の理由をそれなりに説明した場合には、その主張が正しくないことを立証しなければなりません。
例えば、先述の通り、相手方の収入が減っていたとしても、その理由について本人に責任があることや、やむを得ない事情に当たらないこと、離婚時に予測できたことなどを立証することになります。
相手方による収入操作や偽装結婚の疑いがある場合も、その点を主張して可能な限り立証しておきましょう。
(5)あなたと子どもの生活が苦しいことを証明する
相手方の主張が崩れたとしても、審判では原則として養育費算定表の範囲内で養育費の金額が決められるため、それを超える養育費をもらっていた場合には減額される可能性が高いでしょう。
そのような場合においは、あなたと子どもの生活の中で、何にいくらのお金がかかっているのかを細かく申告した上で、養育費算定表の金額では生活が苦しいことと、その具体的な理由を証明する必要が出てきます。
養育費算定表の金額を超える審判を得ることは難しいのが現実ではありますが、可能性はありますから、できる限りの証明資料を提出しましょう。
5 養育費の減額問題は弁護士へ相談が大切!
支払い義務者から養育費の減額を請求されてお困りの場合は、ひとりで悩まず弁護士に相談することが大切です。
状況に応じて最適な解決方法をアドバイスしてもらえます。
また、相手方との交渉は、弁護士に依頼すれば代行してもらえるので、あなたが相手方と直接やりとりする必要はありません。弁護士が法律の知識と豊富な経験で培った交渉術で対応してくれますので、有利な内容で合意することが期待できます。
調停にも弁護士は同行してくれますし、審判の手続きも代行してくれます。相手方の主張が正しくないことの調査や立証、あなたと子どもの生活が苦しいことの証明も、弁護士に任せればより説得的に行うことが可能です。
弁護士の力を借りて、納得できる解決を目指しましょう。